健康&美容コラムvol.3

プロテオグリカンとは <前編 ~ 青森で起きた真実のドラマ ~>

2020.6.26

保湿成分といえば「ヒアルロン酸」が有名ですが、その「ヒアルロン酸」をも凌ぐ高い保水力を有しているのが今回のテーマである「プロテオグリカン」です。最近は様々な化粧品やサプリメントなどに使われていますので、ご存じの方もいらっしゃるかも。

ルミライズオンライン「健康&美容コラム」では第3回と第4回の2回にわたり、うるおい成分「プロテオグリカン」を詳しくご紹介します。
「プロテオグリカン」を深く知ることで、日々のスキンケアやスキンケア商品選びがますます楽しくなっていただけたらいいな、という思いを込めてお届けします。

そもそも「プロテオグリカン」ってなに?

「プロテオグリカン」は糖鎖とタンパク質が結合した複合糖質の一種。細胞と細胞の間の隙間を満たす細胞外マトリックスの主要成分として、皮膚や軟骨、腱、血管、脳など、もともと私たちの身体の中に広く存在しています。
細胞外マトリックスは、いわば健康な肌を支える足場や土台になるところ。コラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンもここにあり、それらと協調しながら、高い保水性と柔軟性をもつクッションのような役割で体やお肌の組織を維持しています。多くの成分と同様に、残念ながら加齢とともにその量は減少していきます。

1グラム3,000万円の夢の成分!?
開発までの道のり

「プロテオグリカン」は、1970年の発見当時からその優れた働きにより注目の成分でしたが、当初は主に牛の気管軟骨という限られた原料からの抽出だったため、1グラムあたり(1円玉の重さ)で3,000万円という莫大なコストがかかり、実用化はできず長い間「夢の成分」のままでした。
しかし、弘前大学の30年にわたる研究により、とうとう2000年に世界で初めて鮭の鼻軟骨から「プロテオグリカン」を効率よく安全に取り出す技術の開発に成功します。

この技術確立においてブレイクスルーの鍵となったのは、青森県の郷土料理「氷頭(ひず)なます」。東北地方ではサケの鼻軟骨を薄く切って甘酢に漬け込んだ「氷頭(ひず)なます」がお正月やお祝い膳で出されるなど親しまれています。弘前大学教授がたまたま居酒屋さんで供された「氷頭(ひず)なます」からひらめきを得たことがきっかけとなり、長年難航していた研究が一気に進み始めたのです。青森の文化と弘前大学教授の柔軟な着想がもたらした、まさに“奇跡”だったのです。

プロテオグリカンのパイオニア
「あおもりPG(プロテオグリカン)」

「あおもりPG(プロテオグリカン)」とは、弘前大学が開発した特許技術から製造された高純度「プロテオグリカン」のこと。そして、弘前大学発「プロテオグリカン」や関連商品のブランド化を目的に青森県プロテオグリカンブランド推進協議会が設立されました。そのブランド認証マークは、「あおもりPG(プロテオグリカン)」を使用し配合量などの基準を満たした商品にだけ付与されますので、安心安全と高品質の指標とも言えます。

サケの鼻軟骨から低価格で安全安心な
プロテオグリカンが誕生

「あおもりPG(プロテオグリカン)」は、9月~11月頃に長い旅を終えて北洋から北海道沖に遡上してきた国産の天然シロサケを漁獲し、食品に使われない頭の部分の鼻軟骨(氷頭(ひず))から抽出されます。
「氷頭(ひず)なます」の調理方法を参考にした“食品用の酢酸とアルコールのみを使用したゆっくり穏やかな、人体にも環境にもやさしい非加熱抽出方法”により、「プロテオグリカン」のもつ複雑な成分構造を壊さないまま純度の高い成分に精製されます。放射能検査も実施されており、安心・安全・低コストの量産が可能となったのです。


  • サケの鼻軟骨(氷頭(ひず))部分

  • 東北の伝統食「氷頭(ひず)なます」

また、「あおもりPG(プロテオグリカン)」の原料は、2017年米国最大の原料展示会において最新の優れた機能性原料に贈られる「最優秀原料賞」を受賞。
青森から世界へはばたく「あおもりPG(プロテオグリカン)」は、今後ますます関心が高まりそうです。


今回(前編)は「プロテオグリカン」の基本情報と開発ストーリーをご紹介しました。次回(後編)はいよいよ「プロテオグリカン」の美容面での働きについて掘り下げていきたいと思います。お楽しみに!


(参考)
かくまつとむ/弘前大学プロテオグリカンネットワークス「奇跡の新素材プロテオグリカン」

一般社団法人あおもりPG推進協議会 
https://www.aomori-pg.org/

一丸ファルコス株式会社 
https://www.ichimaru.co.jp/products/proteoglycan/